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<第10話> こんなこと誰も言っていなかった。
新聞を読みながら、家内曰く・・・
「台湾の会社が、日本人技術者を募集してるわよ。いよいよ台湾も日本のようになったみたいね。」
数年ほど前、韓国の躍進に日本人技術者の持つ技術が、大きく貢献している様子が頻繁に報じられていた。
中国でも定年退職したベテラン技術者が、若い技術者を生き生きと指導している様子がニュースで流れているのを複雑な思いで見ていた。
日本で40年、50年と長い年月をかけて積み重ねられてきた技術が、海外で再び花を咲かせて日本に返ってきている。
私が27年前に創業したころ考えていた“ベテラン技術者の持つ技術を次の世代に引き継ぐことをビジネスにしよう”というのを思い出す。
ゼネコンの優秀、有能な所長が昇進されて支店勤務になる度に貴重な資料が引き出しの中に仕舞い込まれて死滅していくのをたくさん見てきた。
経験が何よりものを言う世界ゆえに、このノウハウは貴重な財産である。が、誰も注目しない。
その思いは、今でも変わらない。自分と同世代の人たちの考え方や技術を新しい器に入れて、最新の実践的技術としてよみがえらせたい・・・。
当初の予想と違っているのは、5年後にその技術を使っているのはゼネコンの社員ではなく私たちであるということ。
だから思いに力が入る。 |
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